そもそもラテン語って何?という疑問に答える記事。
ラテン語の話題が出てきたら「ラテン語?ああ、〇〇だよね」とクールに返せるようになろう!
ラテン語の歴史
ラテン語の始まりは古く(終わるのも早い)、紀元前1000年にはラテン語の基となる「古ラテン語」という言葉を話す人がいたらしい。
この「古ラテン語」はまだ原始的な言葉で、使う文字(アルファベットの原型みたいな形)は21種類しかなく、文法も今のラテン語のそれとは違い洗練されていなかった。
例えば場所を示す「地格」という変化形があったし、語尾の変化(ラテン語は「てにをは」などの接続詞を、文の語尾の変化で表す。英語の '~ed' のすごいやつと認識してくれればよい)
この古ラテン語は紀元前100年くらいまで続いた。もちろん紀元前100年以前はずっと同じ文法を使用してきたのかといえば、そうではない。紀元前200年前くらいにラテン語で書かれた文章を見てみると(ラテン語で書かれた論文などをまとめたサイトは結構ある。著作権はとっくの昔に失効しているだろう)、今の(今の?)ラテン語に近いものがある。
さて、紀元前100年からやっと今に残っている形式のラテン語になる。この頃のラテン語は「古典ラテン語」と呼ばれ(なにしろ2100年前のことだ。いくら新しいとはいえ十分古典である)、おもに論文や標語(石碑に彫ってある奴だ)などの書き言葉に用いられていた。
話し言葉はというと、古典ラテン語よりもうちょっとくだけた文法で使用されてきた。そのくだけた話し方がさらにくだけて、現代社会で使われている言語になったわけだ。
つまり、ラテン語を理解しておくと、ドイツ語、フランス語、そして英語などの言葉をマスターするのが早くなる。(そもそも成り立ちが同じなので、ヨーロッパ諸国の言葉は非常に似ている。英語はラテン語以外の言語も基になっているのでそれらとは結構異なる言語になるが、それでも共通点は多くある)
ちなみに比較的新しい「古典ラテン語」といえど、時代による「表記ゆれ」みたいなものがある。古典ラテン語ができた当初は、単語の間にスペースを空けない、全部大文字で表記している、などの特徴があった。
現代のラテン語
現代ではラテン語を日常で使うのは教会くらいであり、いわゆる「死語」とされている。日本でいう万葉集や古今和歌集みたいなポジションである。
万葉集などと違うのは数年前まで学校の必修科目に「ラテン語」があったところ。今は選択科目になってしまっていて若い人たちは喋れないらしい。
今でも、学会やキリスト教の古い儀式などではラテン語が使われることが多く、植物や動物の学名などはラテン語(風)に決められている。
ラテン語ができれば外国人相手にマウント取れるぞ!がんばれ!
いくつかのフレーズ
こんにちは! - Salve (サルウェー。健康である、の命令形)
さようなら! - Vetele (ウェテレー。元気である、の命令形)
えらい! - Magnus (マグヌス。面と向かって(二人称)ほめる言葉である)
我思う、故に我あり - Cogito ergo sum (コーギトー エルゴ― スム。cogitoが「我思う」、ergoが「故に」、sumが「我あり」の部分を担当している。詳しくは後ほど)